移住にかかる費用相場は?できるだけ安く抑えるためのポイントも確認
移住を検討するにあたり費用を心配している方もいるのではないでしょうか。
「移住したいけれどかなりお金がかかりそう」「どのくらいかかるかわからなくて検討できない」といった方もいるはずです。
そこで、移住を検討している方のため、地方への移住にはどの程度の費用がかかるのか解説します。この記事を読むことによって費用の相場や内訳、できるだけ安く抑える方法などがわかるので、ぜひ参考にしてみてください。
移住に向けておさえておきたいポイントも紹介していきます。
地方への移住者は増えている?
昔に比べると、地方への移住を希望する方は増えてきました。総務省の「令和3年度における移住相談に関する調査結果」によると、令和3年度中に受けた相談件数は約324,000件です。
これは、令和2年度と比較して約33,000件増加しているとのことなので、大幅に移住を検討している方が増えていることがわかります。これは、平成27面倒に調査を開始してから最多の件数です。[1]
やはり、大きな理由として新型コロナウイルスの流行拡大の影響が関係しているといえます。テレワーク環境が整備され、必ずしも都市部での出社が必要ではない企業が増えました。
これにより、自然が豊かでゆったりと過ごせる地方への移住を検討している方が増えているようです。
その一方で、認定NPO法人ふるさと回帰支援センターが行った調査では、移住検討に新型コロナウイルス感染症の影響があると答えた人はおよそ3割にとどまっています。[2]
つまり、7割は新型コロナウイルス感染症とは関係なく移住を検討していることになるので、コロナの問題が収束しても移住希望者・検討者がいなくなることは無さそうです。
[1]
参考:総務省:令和3年度における移住相談に関する調査結果(移住相談窓口等における相談受付件数等)
[2]
参考:(PDF)NPO法人ふるさと回帰支援センター:ふるさと回帰支援センターが初めて移住に関する調査を実施 首都圏の地方移住希望者は推計 309 万人[PDF]
地方移住のメリット・デメリット
地方への移住には、メリットもあればデメリットもあります。それぞれ確認しておきましょう。
メリット
地方は自然が豊かなため、自然に近い環境でのびのびと暮らせます。
また、通勤列車のストレスがないのを大きなメリットと感じている方も多いようです。
他にも、地域で協力しながら子どもを育てる環境が整っていたり、自治体が移住者支援制度を用意していたりするのもメリットといえます。
都市部と比較すると食品が安く手に入るので、安くておいしいものを楽しめるでしょう。
デメリット
交通面や買い物などで不便さを感じることがあります。欲しいものが近所で手に入らず、遠出しなければならないこともあるでしょう。
また、車がないと日々の生活は不便です。
都市部と比較すると働き口が少ないのもデメリットといえます。
また、人付き合いが得意ではない方は、近所づきあいが増えることにストレスを感じてしまうこともあります。
地方移住にかかる費用の相場
地方に移住する場合、どの程度の費用がかかるのでしょうか。移住先の地域によっても変わりますが、お金の専門家であるFP(ファイナンシャルプランナー)の養成・認証を行っている日本FP協会では、一例として、以下のように示しています。
◆日本FP協会による地方移住に際してかかるお金の例
- 地方都市に3人家族で引越した場合の例…約141万円
- 地方都市に夫婦2人で引越した場合の例…約74万円
この費用には、引越し代と住居費用、自動車購入費用、その他が含まれています。
中には「300万円や400万円、またはそれ以上かかるのではないか」と考えていた方もいるのではないでしょうか。
ですが、あまり資金に余裕がない方でもうまく費用を抑えられれば検討できそうな金額であることがわかります。
参考:(PDF)日本FP協会:FPが教える!「地方移住」で気になるお金の話[PDF]
地方移住にかかる費用の内訳
続いて、より具体的な費用を見ていきます。地方移住でかかる大きな費用は、住居費用と引っ越し費用、自動車購入費です。
日本FP協会では、以下のように例を示しています。
3人家族 | 夫婦2人 | |
引越し代 | 12万円 | 11万円 |
敷金 | 9万円 | 12万円 |
礼金 | 9万円 | 6万円 |
仲介手数料 | 4.9万円 | 6.5万円 |
家賃(1ヶ月分) | 4.5万円 | 6万円 |
火災保険料 | 2万円 | 2万円 |
自動車購入(諸経費込み) | (中古)80万円 | 保有 |
その他費用 | 20万円 | 30万円 |
合計 | 約141万円 | 約74万円 |
参考:(PDF)日本FP協会:FPが教える!「地方移住」で気になるお金の話[PDF]
それぞれ解説してきます。
住居費用
住居費用では、敷金と礼金、仲介手数料、1ヶ月分の前家賃、火災保険料がかかります。
敷金は家賃を滞納した際や退去時の原状回復のためにあらかじめ預けておくお金です。問題がなければ返金され、目安は家賃の0~2ヶ月分となっています。
礼金は貸主に対する謝礼で返金はされません。目安は家賃の0~2ヶ月分です。
仲介手数料は不動産会社に対して支払い、目安は家賃の0.5~1ヶ月分+消費税となります。
また、前家賃のほか、入居時期に応じた日割り家賃もかかるので、確認しておきましょう。
引っ越し費用
引っ越し費用は、引っ越し業者に対して支払う費用です。移住先が遠いほど、荷物が多いほど料金が高くなります。
選択する引越し業者によって費用が大きく変わりやすいポイントです。
自動車購入費
地方に引越しをする場合、自動車は必須といえるでしょう。都市部だと電車やバス、タクシーなどを活用して移動が可能ではありますが、地方だと厳しいケースが多いです。
そのため、現在自動車を保有していない方は、購入のための費用について検討しなければなりません。
できるだけ費用をかけたくないのであれば、中古車の購入を検討してみると良いでしょう。
地方移住にかかる費用を抑える方法
できるだけ移住の費用を抑えるためにはどうすれば良いのでしょうか。おすすめの方法を解説します。
引っ越し費用の相見積もりを取る
引越し業者への見積もりは1社のみで済ませるのではなく、複数社に見積もりを依頼しましょう。相見積もりと呼ばれるものであり、相見積もりによって自分たちの引越し費用の相場も見えてきます。
引っ越しのタイミングを繁忙期からずらす
3月~4月・9月~10月は引っ越し希望者が多い繁忙期にあたり、その他の時期よりも引っ越し代金が高くつく可能性が高いです。繁忙期以外の時期を選択することにより料金の交渉もしやすくなります。
支援制度を利用する
利用できる支援制度は積極的に活用しましょう。移住を促進するため、国や各自治体などでさまざまな支援制度を用意しています。
自分の場合はどのような制度が利用できるのか確認してみてください。
ミニマリストになる
荷物量が多いと、それだけ引越し費用が高くついてしまいます。また、家の広さも必要になるでしょう。
ミニマリストを心がけることにより、引越し費用を抑えることに加え、それほど広くない家でもゆとりを持って暮らせるようになります。
初期費用を分割払いする
移住費用の中でも高くつく初期費用を分割払いする方法があります。
分割払いが可能な不動産業者を探すのも良いでしょう。中には、クレジットカード払い限定で分割払いに対応している不動産業者もあります。
地方移住を計画する際の注意点
地方移住を計画する際には、気をつけておくべきポイントがあります。以下の2つを確認しておきましょう。
計画は入念に立てる
気に入った地域があったとしても、簡単に移住を決めるのはおすすめできません。まずは実際にその地域に足を運び、雰囲気などを確認しましょう。
その上で可能であれば移住体験も行ってみるのがおすすめです。
実際に暮らし始めた時のことをしっかりイメージした上で入念な移住計画を立てると、理想に近い移住に繋がりやすくなります。
関連記事:地方移住でのお仕事事情は?職探しの方法とおすすめの職業12選
費用やスケジュールにゆとりをもつ
費用・スケジュールともに十分なゆとりを持ちましょう。特に費用は余裕を作っておかないと移住直後の思わぬトラブルや事故、ケガなどがあったときにやりくりできなくなってしまう可能性があります。
スケジュールもゆとりを持っておくとスムーズな移住につなげることが可能です。
実際に地方へ移住した人の口コミ・体験談
実際に地方へ移住した方は、どのような感想を寄せているのでしょうか。ここでは、上郡町への移住者の口コミを紹介します。
周りの人々が暖かい
周りの皆様が親切で温かいです。隣保の皆様に感謝しています。
生活は便利快適で、交通の便も良いと感じています。上郡駅の位置、新幹線へのアクセス、車での移動も楽で心地良く田舎で、心地よく都会に近い、と思います。(後略)
参考:上郡町移住・定住サポートセンター:かみごおり暮らし体験談No.10 上郡町山野里 石井さん
雰囲気やアクセスの良さが決め手
(前略)移住先を探すなかで、先輩の移住者との懇談会の雰囲気がよかったことが決め手となりました。
生活は便利で、上郡駅の立地や新幹線へのアクセス、車の移動が楽で交通の便もよいと思います。
心地よく田舎で、心地よく都会に近いと感じています。(後略)
参考:リアルエステートの不動産相談室:【兵庫県 上郡町】利便性と自然が融合した暮らしやすいまち
兵庫県赤穂郡上郡町の魅力
昭和30年に1町4村が合併することで現在の上郡町が発足しました。
町の中心を全国名水百選に選ばれた清流「千種川」が流れており、水資源が豊かな町です。この豊富な水資源を活かし、モロヘイヤやお米、ぶどうなど、さまざまな農産物が栽培されています。
自然が豊かで、町内には桜や梅、ダリヤなど美しい花々が楽しめるスポットがあります。
上郡町と関わり合いの深い偉人としては、播磨守護職の赤松円心や、日本の殖産興業の近代化に貢献した大鳥圭介などが知られています。
都市部への良好で、上郡駅から大阪駅までは約100分、車だと、姫路市の中心部まで約45分程度で着くのも魅力です。
また、移住支援制度が充実しており、移住体験住宅のほか、定住促進助成制度、三世代同居等世帯支援があります。
さらに、出産・子育て支援や、高齢者福祉・介護関連のサポートも用意しているので、幅広い年代の方にご検討いただける町です。
費用は余裕を持って検討しておくことが重要
いかがだったでしょうか。地方に移住するにあたり、どの程度の費用がかかるのか紹介しました。目安の金額をご理解いただけたかと思います。
ギリギリの予算で計算してしまうと何か予想外の出費があったときに大変です。余裕を持って検討しましょう。
現在移住者を募集している上郡町では、上郡町内に住宅を新築または購入した方を支援すれ定住促進助成制度や、Uターンなどで三世代同居等をおこなう世帯を支援する三世代同居等世帯支援などを用意しています。
支援制度を活用し、移住を検討したい方もぜひご相談ください。