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地方移住でのお仕事事情は?職探しの方法とおすすめの職業12選

地方への移住を検討するにあたり、頭を抱える方が多いのが、仕事に関することです。
「地方でも仕事は見つかる?」「地方ならではの仕事に就きたい」と考えている方もいるでしょう。

そこで、仕事に不安を感じている方のため、地方への移住でおすすめの職業や仕事の探し方、仕事の支援に関する制度などを解説します。
この記事を読むことによって地方に移住した後の働き方や職探しがイメージしやすくなるので、ぜひ参考にしてみてください。

地方移住の希望者は増えている

近年は地方移住者をピックアップしたニュースや記事を目にする方が増えました。その背景に、地方への移住者が増えていることが挙げられます。

例えば、総務省の発表によると、令和3年度に各都道府県及び市町村の移住相談窓口等において受け付けた相談件数は、令和2年と比較して約33,000件増加しました。全体で約324,000件にも上ります。
平成27年度の相談件数が141,683件だったため、そこから考えると倍以上の相談件数です。[1]

新型コロナウイルスの流行拡大によりリモートで働ける環境が整備され、地方で働くことが選択肢の一つになったことも移住者が増えている理由といえるでしょう。

ですが、認定NPO法人であるふるさと回帰支援センターが行った調査では、地方移住を検討している人のうち7割は新型コロナと関係なく移住を検討しているとの結果です。[2]

単純に地方での暮らしに魅力や憧れを感じ、移住を検討している方が増えていることがわかります。

 

関連記事:地方へ移住するメリット・デメリットは?気になる費用も確認

 

[1]

参考:(PDF)総務省:移住相談窓口等において受け付けた相談件数[PDF]

 

[2]

参考:(PDF)NPO法人ふるさと回帰支援センター:ふるさと回帰支援センターが初めて移住に関する調査を実施 首都圏の地方移住希望者は推計 309 万人[PDF]

地方移住する理由

なぜ、地方移住を検討する方、実際に移住をする方が増えているのでしょうか。代表的な理由として、以下が挙げられます。

 

◆移住を検討・決断する主な理由

  • 仕事の関係
  • ゆとりある生活をしたい
  • 自然に囲まれた環境で暮らしたい
  • 都会よりも人が少ない場所へ行きたい
  • 子育てに適した環境を求めたため
  • 趣味などに没頭しやすい
  • 定年後のスローライフに憧れた
  • 価値観の変化によるもの

転勤の関係で移住をする方もいますが、それ以外の理由で移住を決断した方も多いです。
都会での窮屈な生活に疲れてしまった方も多く、自分らしく穏やかに過ごせそうな地方での生活に憧れを抱いて決断する方もいます。

地方移住のメリット・デメリット

 

地方への移住を決断する前に、どのようなメリット・デメリットがあるのか確認しておきましょう。以下のようなことが挙げられます。

メリット

やはり、地方ならではの自然の豊かさは大きなメリットです。近くに自然を感じながら暮らせるので、のびのびと生活できるでしょう。季節の変化なども楽しめます。

都市部と比較して物価が安い、電車が混雑する心配がない、生活コストを抑えられるなどのメリットも大きいです。

また、地方ではご近所づきあいを大切にしているところが多いため、都会での希薄な人間関係にさみしさを感じている方にとってもメリットがあります。

デメリット

車がないと生活が不便に感じることが多いのはデメリットです。店があっても離れていることが多く、公共交通機関も都市部ほど整備されていません。
電車を逃してしまうと、次の電車まで何十分も空いてしまうこともあります。

お店の数も都市部よりは少ないので、場合によっては遠くまで買い出しに行かなければなりません。

働き口が少ないことや、ご近所さんとの距離が近く人付き合いを負担に感じることがあるのもデメリットです。

移住にかかる費用の相場

地方に移住する場合、どの程度の費用がかかるのかはよく確認しておきましょう。日本はFP協会では、以下のようなモデルケースを発表しています。

3人家族 夫婦2人
引越し代 12万円 11万円
敷金 9万円 12万円
礼金 9万円 6万円
仲介手数料 4.9万円 6.5万円
家賃(1ヶ月分) 4.5万円 6万円
火災保険料 2万円 2万円
自動車購入(諸経費込み) (中古)80万円 保有
その他費用 20万円 30万円
合計 約141万円 約74万円

参考:(PDF)日本FP協会:FPが教える!「地方移住」で気になるお金の話[PDF]

 

地方では自動車がほぼ必須となるため、自動車を保有しているか否かでかかる初期費用の違いが大きいです。引越し代などは時期によっても大きく異なるので、可能であれば繁忙期を避けて引っ越しましょう。

地方移住で仕事はどうする?

地方移住での仕事について検討する際、主な選択肢は2つあります。

1つ目は、テレワーク・リモートワークなどを利用して現在の仕事を継続しながら移住する方法です。
近年は日本どこからでもインターネットを通して働ける会社が増えてきました。そのため、現在働いている会社がテレワークに対応しているのであれば、仕事を変えることなく働けます。

転職によって収入が一時的に途切れてしまうこともないので、地方への移住も検討しやすい働き方だといえるでしょう。

一方、移住先の地域で働くのが2つ目の選択肢です。新たに挑戦したいと感じるような就職先を探すのも良いですし、現在働いている会社が移住先に支店などを構えていればそちらに転勤させてもらう選択肢もあります。

また、転職を検討している場合、移住と同時に転職するのか、転職してから仕事を探すのかもよく考えておかなければなりません。
地方は都市部と比較して働き口の選択肢が少ないため「とりあえず移住してから検討しよう」とは考えない方が良いでしょう。なかなか就職口が見つからず、苦戦ししまうことがあります。

移住後に転職先を探すとしてもある程度目星をつけておいたり、十分な情報収集をしておいたりすることが重要です。

都市部と地方の賃金の差

 

都市部と地方では、賃金に大きな差があります。まず、都道府県別に上位から賃金を見てみると、令和3年は以下の通りとなります。

 

◆都道府県別賃金(高い順)

  • 東京:362,400円
  • 神奈川:336,200円
  • 大阪:326,900円
  • 愛知:317,300円
  • 京都:312,200円

続いて、賃金の安い順に見てみると、以下の通りとなります。

 

◆都道府県別賃金(安い順)

  • 宮崎:244,600円
  • 青森:245,000円
  • 秋田:247,500円
  • 岩手:249,600円
  • 鳥取:251,600円

東京と宮崎では、117,800円もの違いがあることになります。なお、全国計は307,400円でした。

 

参考:(PDF)厚生労働省:(10) 都道府県別にみた賃金[PDF]

 

ですが、地方は賃金が安いため、その分、生活が苦しくなるとは言い切れません。これは、生活費も安く済むからです。

都市部と比較して物価が低めの設定になっているため、食料品をはじめさまざまなものが安く手に入ります。外食に必要な費用なども地方の方が安く済みます。

また、庭や畑のある家を借りたり購入したりすれば、家庭菜園で野菜を育てて食費を節約することも可能です。

【地方移住】おすすめの仕事12選

地方に移住して働く場合、仕事にはどういった選択肢があるのでしょうか。もちろん、どの地域に移住するかによって選択肢は変わります。
ここでは、地方で検討しやすい仕事について紹介します。

農業

多くの地方では農業が盛んに行われています。田舎で農業を行いながらゆっくり過ごしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。

地方に限ったことではありませんが、多くの農家では人手不足に陥っています。そのため、国や自治体では農業を引き継いでくれる人材の確保に力を入れており、農業関連の仕事に就くことで支援金などが付与される施策もあります。

全く知識がない状態からでも支援金を受け取りながら農業を学び、働きながら知識と経験を積んでいくことも可能です。
また、初めから自身で農家として独立するのではなく、ベテラン農家のもとで経験を積みながら将来的に独立を目指すこともできます。

初めて農業の仕事に就きたいと考えている方は、会社勤めとは生活サイクルが異なることについてよく理解が必要です。特に繁忙期は休む間もなく忙しいので、農家としてやっていけそうか事前によく検討してみてください。

林業

木材を扱う仕事であり、建築材料のほか、家具、紙製品など、さまざまなものを作るのに欠かせない木の伐採・加工・生産・販売をします。
林業従事者は全国的にみても平均年齢が高齢化しているので、特に若い方は歓迎されるでしょう。人手不足の状態であることから、求人数も多いです。

就業支援制度などもあるので、林業への就職を検討している方は活用してみましょう。
農業と同じく、将来的に自営で林業にチャレンジすることも可能です。
求められる資格は就職先によって異なりますが、チェンソーやクレーンなどの重機を扱う資格が必要になることもあります。

漁業

釣りなどが好きで、漁業に興味を持っている方も多いのではないでしょうか。海沿いの地方へ移住する場合は、漁業も選択肢の一つとなります。特に遠洋漁業は高収入が期待できます。

経験のない方は漁業の協同組合や会社に就職することから検討してみると良いでしょう。
また、自治体の中には漁業の研修を実施しているところもあるので、そういったものに参加してみると漁業についての理解も深まります。

独立して漁師として働く場合には船舶免許や無線の免許などが必要になるので、事前に確認しておきましょう。

地域おこし

地域おこし協力隊と呼ばれる制度があります。これは、人口が少なかったり、高齢化が進んでいたりする地域に移住してもらい、地域の活性化を目指すために国が用意している制度です。

農林水産業への従事、住民支援などを行いながら、その地域への定住や定着を図ります。
地域おこし協力隊の任期はおおむね1年から3年です。期間中は、仕事と住まいが保証されている形となり、給料をもらいながら活動できます。

活動の中で地域のいろいろな方と顔を合わせ、ともに協力しながら活動していくことも多いです。そのため、収入を確保しながら移住先の地域での交流関係などを深めていけるのが魅力です。

地方への移住を検討したいけれど、地域の方と馴染めるか不安と感じている方に向いています。
各地域でどのような活動を行うことになるかは、事前に自治体のホームページなどで確認しておくと良いでしょう。

ゲストハウス

田舎の空き家問題が騒がれていますが、安く購入できるような空き家や中古物件を購入し、ゲストハウスを始める方もいます。都市部などでゲストハウスを新たに始めるのと比較して初期投資を大幅に抑えられるでしょう。

自治体によっては、古民家や空き家のリノベーションで利用できる補助金や助成金を用意しているところもあります。
地方を訪れた観光客はもちろんのこと、地元の方との交流もしやすくなるでしょう。

認知度が全くない状態から始めるのは大変なことではありますが、移住先で家族経営のゲストハウスに挑戦している方もいます。

古民家カフェ

古民家を活用したカフェも地方で始める仕事として人気です。ゲストハウス同様に、古民家や空き家をリノベーションして行う場合は、自治体から補助金・助成金などを受け取れます。

地方の古民家は都市部にはないような温かい雰囲気があり、日本人はもちろんのこと、海外の観光客からも人気です。できるだけリフォームの費用を抑えるために、できるところは自分たちでDIYするのも良いでしょう。

公務員

公務員は、安定した収入が得られる魅力があります。また、休日が多いことや、福利厚生が充実しているのも公務員ならではのメリットといえます。

ただ、非常に人気があることから、地方で公務員の求人が出ると競争率が高くなってしまうことが多いです。移住先で転職して公務員として働きたいと考えているのであれば、事前に就職に関する情報収集をしっかりと行っておきましょう。

看護師・介護士

看護師や弁護士といった職業は、地方でも需要があります。

特に地方では高齢化が進んでいることから、看護師の需要は大きいです。すでに看護師免許を持っている方であれば、就職先にはまず困らないでしょう。
都市部などと比較してアットホームな就職先が多いです。そのため、より患者さんに寄り添って対応できるような職場で働きたいと考えている方にも地方での就職が向いています。

また、弁護士として働いている方が地方で独立開業するのも一つの選択肢です。日本弁護士連合会では弁護士不足の地域で独立開業する場合、開業支援や運営資金を貸し付ける制度を用意しています。
資金の問題がありなかなか独立を検討できない方も、こういった支援制度を活用してみると良いでしょう。

プログラマー

プログラマーの仕事は、パソコンがあればどこからでも行えます。そのため、地方でもインターネット環境が整っているところであれば都市部と同様の条件で働けることも珍しくありません。
場合によっては定期的に都市部への出社が必要になることもありますが、自宅でも働きやすい職業です。

Webデザイナー

プログラマーと同様にWebデザイナーも自宅でできる仕事の一つです。地方での開放的な生活がデザインの新たなひらめきにつながることも少なくありません。

ただ、地方でWebデザイナーとして就職する場合はスキルや実績がないと厳しいです。求人の数もそれほど多いとはいえません。
まずは求人情報を確認し、自分でも応募できる条件かチェックしてみると良いでしょう。

リモートワーク

リモートワークを活用しながら現在の仕事を継続するといった選択肢もあります。そのため、今働いている仕事がリモートワーク対応であれば、地方への移住は非常に現実的なものになるでしょう。

多くの方が移住で困ってしまうのが、仕事探しに関することです。リモートワークで対応できる方であればこの問題が最初からクリアできているので、収入の心配をすることなく移住を検討しやすいといえます。
「現在の仕事は気に入っているけれど地方で暮らしたい」と考えている方にぴったりです。

写真家

現在の就職先に勤めたまま、副業カメラマンとして働く方法もあります。
地方は自然が豊かで、都市部では撮影が難しいような写真もたくさん撮れます。植物や野鳥などはもちろんのこと、カメラマンの少ない地方では企業の広告撮影のほか、結婚式、七五三といった個人の撮影依頼を探すことも難しくありません。

本業として本格的に写真家の仕事に就きたいと考えているのであれば、地方である程度写真家としての仕事を確保できようになってから検討すると良いでしょう。

地方での仕事の探し方

地方で仕事を探す方法として、大きく分けて自治体への相談や、求人サイト・エージェント、インターンシップなどを利用した方法があります。それぞれ解説します。

自治体に問い合わせる

各自治体では求人情報を公開しており、転職のサポートをしています。移住者の方を対象にしたサポートを提供している自治体もあるので、まずは問い合わせてみると良いでしょう。

近年は、オンラインで相談ができる自治体も増えました。移住前は直接足を運んで相談するのが難しいこともありますが、そういった場合もオンライン相談を活用してみると良いでしょう。

また、自治体であってもその地域の求人をすべて把握しているわけではありません。自治体に相談しても良い仕事が見つからなかった場合、その他の方法も活用してみましょう。

求人サイト・エージェントを活用する

就職をサポートしてくれる求職サイトやエージェントを活用するのもおすすめの方法です。働き手を探している企業と、働きたいと考えている人をマッチングするためのサービスとなっています。

地方での求人に強い求人サイトやエージェントもあります。特に転職エージェントは企業と求職者の間に立ち、求職者が直接伝えにくいような希望も代わりに伝えてくれるのが魅力です。
転職をサポートしてもらいましょう。

インターンシップを活用する

地方自治体の中には、社会人向けのインターンシップ制度を設けているところもあります。多くの地方インターンシップ制度では、実際にその地域での仕事や生活などを体験し、インターンが終了する際はお互いが合意する場合のみ転職が成立する形です。
こちらもまずは自治体に問い合わせてみましょう。

地方での仕事の支援に関する制度

移住に関する支援制度はさまざまあり、中には仕事支援に関する制度もあります。

例えば、東京23区に在住または通勤している方が東京圏外に移住し、起業や就業といったものを行う際に交付金が支給される「移住支援金」といった制度です。

対象者は、移住直前の10年間で、通算5年以上かつ直近1年以上は東京23区内に在住、または東京圏から東京23区へ通勤していた者となっています。条件を満たし、移住先で就業したら移住先の市町村に対して申請する形です。

それから、福祉関係や保育関係などの自治体が定めている業種に就職した方に対して就職奨励金が交付されるものなどもあります。

各自治体で異なる支援を行っているので、自分が移住予定の地域ではどういった支援が受けられるか確認してみましょう。

どのように働くかは移住前に検討が必要

いかがだったでしょうか。地方に移住した場合に気になるお仕事事情について紹介しました。仕事探しの方法やおすすめの職業などについてご理解いただけたかと思います。
多くの自治体で移住者の就職支援を行っているので、相談してみると良いでしょう。今の仕事を継続する方も、転職を予定している方もしっかりイメージを固めたり、情報収集したりしておくことが大切です。

上郡町では自治体のホームページで求人情報を公開しています。また、上郡町定住促進助成制度などの支援もあるので、お気軽にご相談ください。

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